アイヌの口琴『ムックリ』製作と口琴の日々。

オリジナルムックリを自分なりに製作しています。 鉄口琴を含めて楽しく琴活しましょう。

ムックリの棒の製作。

 

ムックリの弁を引っ張る紐をつける棒の製作です。

 

ムックリの棒は一般的に「竹ひご」を3cm程度切ったものが多いですが

 

私の場合は棒にも「雰囲気」が大事だと思っています。

 

気に入った木があれば小さくして棒にします。

 

壊れたムックリや、ムックリにならなかった竹のかけらから作ることもあります。

 

また、棒を染めたり、鮮やかな色をつけることもあります。

 

棒そのものの長さも長くしています。

 

以下は昨日の作業のものですが、参考にご紹介しますね。

 

 

 

 

上の写真には、二種類の素材があります。

・竹から作った棒

・ツルウメモドキの枝

 ツルウメモドキってご存じですか? 枝が強い繊維質で、イラクサとともに「糸」を作ることができるんです。

 

 

ムックリの操作に適した長さと太さにしたら、つぎは少し彫刻でおしゃれにしてから、ひとつひとつヤスリをかけます。

 

そのあと、一度洗って、今度は柿渋で染めます。

 

上の写真の紫色のような液体が、天然&無臭の柿渋で、色の雰囲気がよくなるほか、防虫、防水、防腐、消臭の効果があります。

 

この柿渋で一度まとめて染めた後、天日で一日乾燥させ、次は一本ずつ筆で柿渋を塗ります。つまり二度塗りします。

 

 

 

 

 

 

作業は大変ですが、手間をかけることはモノづくりに大切だと感じています。

時代に逆行して、作業効率をある意味無視しないと。

 

 

さて、柿渋で二度塗りしたあとは、これで完成にする場合と、

「木酢酸鉄」でさらに染めて、黒系の色に仕上げる場合とがあります。

ごく自然・天然の染料なのでご心配なく。

 

柿渋染めだけで完成と、柿渋+木酢酸鉄、これは好みの問題です。

茶系のほかに黒い棒もあったらいいなと思っているだけです。

 

 

 

でも上の写真は「やや黒」という感じ。

これでもいいのですが、色味が足りないと感じたらもう一度柿渋を塗って乾燥までさせたものを、水で濡らしてから木酢酸鉄で染めます。

するとこのように濃くなります。

 

左が柿渋三度染め

右が柿渋二度染め+木酢酸鉄二度染めです。

 

こんな感じですね。